涼隼とか隼涼(?)とか恵ちゃんとユーゴとか隼人とアルとか色々。










quiet life







 アメリカまで来て、自分は寝ていることが多くなったような気がする。
起きている時間が減った。時間があると眠っているような気がする、否、眠るようにしている。
 まだ普通に高校生として、高校に通っている頃のこと。
家に帰れば人並み程度にテレビゲームをしたり、漫画を読んだり、適当にテレビをつけていたと思う。
勉強だって好きではないけれど、嫌いなわけでもない。英語は苦手だった。数学は好きだった。答えがひとつしかないから。それでも本当は理科が一番好きだった。生物も物理も化学も、みんな好きだった。
だから人並みに、予習や復習はしたし、宿題や課題が出されれば、最低限提出は欠かさなかった。
母の温かい夕食を食べ、風呂に入り、明日の準備を整え、眠る。一日のサイクルは単調ではあったけれども、満足していた。
 学校に行けば、授業がある。たまに眠くて仕方がないときがあったり、なんとなく面倒に思うこともあった。それでもカツミがいたし、友達は多いほうだった。皆今どうしているだろうか。
あの、やけに口調のおっとりとした英語の教師はどうしているだろう。理科の教師は、相変わらず忘れ物が多いのだろうか。
それが現実で、今思うとそれがすべてだったような気がする。
ここにいては、何も分からないし、ぼーっとしている時間も、一人でいる時間も、空しく思うことが多かった。

『くあー腹減ったぁ。おい、屋上行こうぜ、昼飯だ昼飯!』

『あ、そうだ高槻君、英語の辞書、貸してくれないかなあ。家に置いてきちゃったんだけど』

『そうそう、あのね、今日はりんご持ってきたの。皆で食べようと思って』

『さっすがカツミ!気が利く!』

『隼人君が全部食べちゃ駄目なんだからね〜』

………………………………。

沢山のものが変わってしまって。だけれど瞼を開ければ、もしかしたらすべて元に戻っているかもしれないと思って。全部、良くない夢で。カツミがそこに居て。

「…おい、おい高槻!…なんだよまた寝てんのかよ…おーい、メシ、メシ食うぞメシ」
「高槻君、起きて起きて。ご飯だよ」
「おい高槻!お前が手伝わないから僕が凡人と食事の用意を手伝わされているんだぞ…ぅあだっ!」
「ほおら天才、無駄グチしてないでさっさと運びなさいよ!」

そんなことを考えてしまうのは大抵夢うつつで、彼らに申し訳ないと思いながら。
そこにカツミは居なくて、ノートも黒板もテレビもないけど、まだ変わらないものが、ここにはあって。

「…悪い。今行く」


そしてまだ、愛されている。




●2006年11月02日  アル可愛いよなあ。










power failure





血だらけだった。あちこちがそれで一杯だった。血の匂いにはなれた。中には人の体でないものも沢山混ざっていた。いつの間にかここまで来てしまった。気にならなくなるくらいまで、来ていた。
背中合わせで息を吐いた。隙間があった。背中と背中の間には、1メートル以上の隙間があった。棒立ちになっていた。はあはあと息が切れていた。
服も破れていた。切られたり殴られたり蹴られたり撃たれたりしたところが痛かった。ような気がした。もう分からなくなってしまっていた。どうでもよかった。自分のことなど、もうまったく、どうだって良かった。右腕から侵食したナノマシンが、痛いのも、苦しいのも、その原因ごと治してしまった。たまに、それが便利なときがあって、さびしいときもあった。

「大丈夫か隼人」
「ヤバい、疲れた」

どっ、と地面にものが落ちる音がした。ぎょっとして振り向くと、背中のほうに隼人がしゃがんでいた。背中が上下していた。暑かった。なんだかとても、息苦しかったし、息苦しそうだった。

「あー馬鹿野郎痛えなチクショウ」
「ははは」
「はははじゃねーっつーの」

歩み寄って、背中を合わせて、しゃがんでみた。膝がぎし、と鳴った。痛くは無かったけど、痛いような気がした。体中、とてもだるかった。足場はおぼつかなかった。腕やら足やら頭やら銃やらナイフやらが邪魔で仕方がなかった。

「しんどい」
「ああ」

背中に温度がある。背中に居る。今、唯一信じられる人。自分とおなじ人種で、俺を救ってくれる人。
下ばかり見ていると気分が悪くなりそうだった。早くこの場から出て行きたかった。それでも言えなかった。後ろの人が拒否しそうな気がしたから。
じっ、と意識が遠くなりそうだった。後ろに体重をかけてしまった。相手の背中が動いた。前に重心を戻した。後ろが立ち上がった。自分も立ち上がった。振り向くと、相手もこちらを向いていた。一言、大丈夫かと告げられた。大丈夫だ、と答えると、右手が伸びてきた。俺の左頬に触れた。左手も伸びてきた。右頬に触れた。そのあと、顔が近づいてきた。額と額がぶつかった。顔に、相手の髪がかかった。唇同士が触れた。かさかさとしていた。舌を出し、相手の唇を舐めた。引っ込む。すると相手の舌が、俺の唇を舐めた。
目の前が暗くなった。膝が崩れそうだった。それでも持ちこたえた。恋を していた。


だったらもっと、大丈夫そうな顔しやがれ。










●2006年11月06日  (power failure=停電)
15巻の最強の相棒だぜ発言あたりをどーにかした感じで…(無理矢理











Angel heart






 ぐるっと回って、いつか帰ってくるのかしらって。
仏教には輪廻転生というものがあってね。生まれ変わるのよ。いつか。昔に、子供向けの絵本で読んだのだけれど、お経を読むっていうことは、死んでしまった人が極楽浄土までの長い道のりを行くのを、励ますためなんですって。
 極楽には大きな池があって、その池には沢山の花が咲いているんだって。蓮の花よ。わたしはあんまり好きじゃないけど。どちらかというとガーベラとか、蘭とか、ああいう花の方が好きだわ。まあ、それは芥川龍之介の本で読んだのだけど。
 基本的には同じようなことを言ったり書いたりしてるわどの人もね。絵本には書いてなかったけれど、そこに行ってから、時がきたら、この世界にもう一度生まれることが出来るのかしら。
 でも彼女は仏教徒じゃないのよね。キリスト教なのよ。だから多分、お経は要らないのよね。わたし、あんまり詳しいことわからないけど。
だけれどキリスト教でも同じ人間だもの。そうよ、だって死んで生き返った人は河を渡っていないのよ。だから帰ってこれたっていうじゃない?だから河の向こうは誰も知らないのよ。
 だからね、帰ってくるかもしれないと思って。人によって言うことは違うのよ。人間は人間にしか生まれ変われないっていうの。でもある人は関係ないって言うわ。どうしよう、犬とか、猫とか、そういうのだったら。
でも大丈夫ね、わたし、きっと見つけられるわ。別にトカゲだって、蝶々だって、なんだって構わない。あーでも、出来ればおしゃべりがしたいんだけど。
 ほんとに一番困るのは、そのままずっと天国から見てるってこと。いつまでも天使で居る必要はないってこと。
ああ、お願い。わたし耐えられない。わたしにたくさんの愛をくれた、わたしにたくさん気づかせてくれた、ああ、わたしだけ、しあわせで、耐えられないの。

 お願い、神様、お願いエンジェル。

 わたしのエンジェルを返してください。

 世界にたった一人きりの、わたしの大事なエンジェル・ユーゴー。










●2006年11月06日  恵ちゃんとユーゴに愛を込めて。
わたしの初めての親友、って。良いですよね。アニメの親密度が良い…。












A Yonger Brother





恵を連れてくるべきだったんじゃないか?
……あいつを連れてくると、あいつのものまで買わされそうだったから。
同感。でも尻に敷かれてるなあ。
うっせえお前が言うな。
それで、どうするんだ。
やっぱ…電気系?
なんだよ電気系って…じゃあ武士を連れてこれば良かったんじゃないか?
しょうがねえだろ、麻耶と買いもんだっつーんだから。
一応声かけたのか。あー、でもどこも同じだなあ…。
どこも、って…。だから俺は恵とか関係ねえし。しかし高槻は完全にアウトドア志向だもんな。
うーん、パソコンとか多分嫌いではないんだけど。
やらねえだろ。
ああ。
出来るもんならこっちに来てぇっつってたけどな。
麻耶ちゃん、強そうだもんな。
なんかな。
しょうがねえ。やっぱ靴とかにすっか。
サイズは?
家出てくるに見てきた。
流石。
日を聞き出すのも大変だったらしいじゃないか。
何で知ってんだよ。
キャロルが言ってた。前にスーパーで会ったんだよ。
ふうん。そうそう、やっとキャロが喋らした。
恥ずかしかったんだろうな。
まあな。可愛げねーぜ。
ははは、隼人が可愛げって…。
なんだよ言っちゃわりーかよ。
いや、悪いとかそういうのはないけど…何か…面白いな…
面白いって…ちょ、おまなんでそんな笑ってんだよ!
………悪い……
お前のツボが全然分からん。ほんとに。まったく。
…………ごめん

あーどれが良いのか全然分かんねえ!
俺はこういうのが良い。
…高槻、それはなあ、安全靴ってんだよ。普通の子供はなあ、そんなもん履かねーんだよ!!
いやあ…良いぞこれ。ガラスとか枝とか石とか踏んでも痛くないし、足先にレンガとか石とか落としても大丈夫。
やっぱ恵を連れてくれば良かった…。
悪い悪い。ちゃんと探すから。あ、ほら、こういうのは?
んーなんかちがうな。つかあいつはもっとかわいげ…いや、なんでもない。
なんだ?
また変なトコで爆笑されるの嫌だからな。
もうしないよ。じゃこれは?
あーっと…そうだな、それ。ああ、いやこっち?
どれにするんだ?
……俺あっちも見てくるわ。


 悩んだのだけれど、とても悩んだのだけれど、特に、この話を持ちかけた張本人は、眉間にしわを寄せて、普段の服装とか、なんだかモゴモゴととてもよく悩んで、あちこちに歩いては、これじゃない、あれじゃないと言って、結局、普通のどうってことない、コンバースの赤色のスニーカー。
 選んだ本人は、結局最後は俺に意見を求めるでもなく、一人で全部決めてしまったのだけれど。それでもなんだかとっても誇らしげで、俺も嬉しかったのだ。
 彼は始めて、彼の初めての弟に、初めて誕生日プレゼントを買った。










●2006年10月26日 「IN THE STATION.」の駅に着くまでの出来事。
上の台詞部分だけは最初向こうにくっついてたんだけどアルの誕生日って勿体無くて独立したんだとさ。




<<<